斎宮物語

昨日はなかなか寝付けなかった。

おかげで寝不足…。

総触れでは、上様の顔をまともに見られなかった。

なぜ、こんなにも胸が苦しいの?

…。

「いつき様。
紅が届きましてございます。」

部屋子のひとり、中藤が言った。

「あ、そういえば…。」

私は紅を受け取り、箱を開けた。

箱の中には…、文が入っていた。

こんなことが出来るのは、ゴサイか中藤くらいよ…。

まさか、悠吾朗様?


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