斎宮物語

シャラン、シャラン、シャラン、シャラン…。

澄んだ鈴の音がする。

上様にいらぬ心配をかけないようにしなくては。

あのこと、まだ黙っておくことに致しましょう。

「いつき。」

ドキン。

「上様…」

まともに顔が見られない。

「いかがした。」

「い、いえ。
なんでもござりませぬ。」

「それでは何故そんなに暗い顔をしておる?」


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