斎宮物語
8.中奥
それから一月の月日が流れた。
私は、相変わらず公坊様のご寵愛を受けている。
もちろん、公坊様のお勤めとして、他の側室方にもたまにお渡りになる。
その時は胸が締め付けられるように苦しいけど、またきっと公坊様にお渡り頂けると思い、堪えてきた。
公坊様はご正室として御台様を大切にされ、たまにお渡りしている。
もちろん、御台様のお体のことを考え、夫婦の交わりはなされていない。
そして、今日も上様のお渡りがある…。