斎宮物語

御台様も、それに続くように下がられる。

御台様付きの上臈御年寄も一緒に。

「斎宮殿。」

誰かに呼ばれた。

「はい…。」

「あまり、調子に乗ってはいけませぬぞ…。」

「え?」

側室の3人だ。

「上様のご寵愛を独占していようと、そなたはただ若いだけ…。
上様のお気まぐれで、召し抱えられただけの女子と言うのを、お忘れまいな?」

「…お気まぐれ…。」

ぼそっと呟いた。


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