斎宮物語
力ずくで着物を脱がされる。
お須免の方は、仮にも将軍のお世継ぎかもしれない御子を身ごもった身体で。
せっかくの美しい打掛は、ビリビリになっていった。
その時…。
堪え難い気持ち悪い感覚が襲った。
「うっ…!」
私はその場にうずくまった。
「はてまぁ、いかがされた?」
「…………。」
私は、辛くて言葉も喋れない。
側室方は、その様子を面白そうに見下ろす。
「さあ、参りましょか。」
「そうですね……。」
私は、一人、仏間に残された。