斎宮物語

私は強く、強くお浜を抱きしめた。

私の目から流れる涙を悟られないように、強く…。

「お浜…!
私は…!」

お浜は何も言わず、私の首に腕を回していた。

「私の妻はお浜だ…!
お浜しかおらぬ……!!」

その日、私は初めてお浜とまことの夫婦となった気がした。


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