斎宮物語

「悠吾朗様!」

「いつき殿。
いかがされました。」

「悠吾朗様にお会いしたくて…。」

頬が紅くなるのがわかる。

「いつき殿は、昔から淋しがり屋でしたからな。
昔など、父上様がお出かけしているだけで、鼻水垂らして私の家にお出でになられて…。」

悠吾朗様が笑った。

「そのような昔の話、もう良いではありませぬか!」

私の顔は、さらに紅くなる。


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