演劇の間
「おい、篠ちゃん隠れた方がいいぞ」
田辺があわてた様子で言って来た。
そう、後片付けを終えた女子が階段を降りて来ているのだ。
「やべえぞ」
坂井が俺の手を掴んで走り出した。
田辺もその後ろを追う。
物陰に隠れて女子が通り過ぎて行くのを待つ三人。
「ねぇ、ちーちゃん」
「なにー?」
「篠崎君さ、絶対ちーちゃんに気があると思うんだ。」
ばれた。
いや、普通ばれるよな。
「そうなのか!?篠ちゃん!?」
「ばか、普通わかるだろ。」
田辺くらいだな解らないのは。
女子の会話は続く。