イジワル王子とお姫様
何でも…?


本当にいいの?そんな事言っちゃて…


私、ナツキくんに無理なお願いしちゃうよ


「あ…あのね」


「おぅ、何にする?庭の手入れでも、昼飯に弁当届けんのでも何でもアリだぜ。この際パシリになってやるし」


言…言わなきゃ


掴まれた手首から、自分の異常な脈の早さが気づかれるんじゃないかって思う位、ドキドキしてる


ナツキくんの顔を真っ直ぐ見て…、意を決してお願いしてみた


「い…1日だけ、ナツキくんを私に下さい」


「…はぁ?」


あ…あれ?ナツキくんの1日を私に下さい、か


気が動転して訳がわからなくなってくる。でもこの際もうそんな事気にしてられず、私は続けた


「私の事好きになってもらうのは難しいって思うから。1日だけ、彼女気分でいさせて欲しい…なって…」


やっぱり。…思った通り、ナツキくんは一瞬嫌な顔をした
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