イジワル王子とお姫様
しどろもどろになりながら、髪を整え、その手を後ろに隠す


「これには訳が…。え、えっと…ナツキくん着く時間早くない?」


待ち合わせは10時だったんだけど、まだ15分前


私は…緊張し過ぎて早く着いちゃったんだけどね


…まさかナツキくんも、私と会うのが楽しみで早く着いちゃった?


そう思ったのものの、それはあっさり否定される


「いや、昨日雑誌の発売日だったから、そこのコンビニで立ち読みしよーと思ってたんだけど…まさか早く来てると思わねぇし」


うわ、ちょっと迷惑そう。私、早く来て失敗しちゃった!?


「な…ナツキくんっ、それなら10時まで立ち読みして来て?私、それまで用事あるから」


慌ててナツキくんの背中をコンビニの方へ押すと、私の方を振り返った顔は…笑顔だった
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