イジワル王子とお姫様
私の手は、しばらくナツキくんの手の中に、すっぽりと包まれていた


意外と手大きいんだね


そして、あったかい


こんなことなら、初めから手繋いで下さいって言えば良かった


私たち、他人から見たら彼氏彼女に見えるよね?


ふふっ


「一人で笑うなって。キモイから…」


「うん…。ねぇ、どうして手繋いでくれたの?」


緩んだ口元をキュッと結び、ナツキくんは私を見る


「何でだろな?」


「へ?」


「オレもよく分かんね。何かフラフラ危なっかしーし、風船みたいにすぐどっか飛んで行きそーじゃん」


ふ…風船ですか?
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