イジワル王子とお姫様
彼の顔は、よく出来ていた。


キリッとした眉に、長めの睫。


色白な肌に(これは血の気がひいてるから)、通った鼻筋。


眠ってるのか、気絶してるのか分からないけど、口角の少し上がった薄い唇。


最近見た男子の中では、全てのパーツの配分が完璧だった。


スヤスヤ眠っているとすれば…まるで天使のような寝顔だ。


「誰?これ。私のリストに入ってないけど」


とっさに杏が唸る。
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