イジワル王子とお姫様
「けっ…携帯、落とした」


「えええっ!?」


「それらしい場所は探したんだけどさ、見つかんなくて…。参ったな」


普段取り乱す事のない、ナツキくんがかなり動揺してる


「一緒に探すよ!どこら辺通ったの?」


「いや…一応、落とし物センターにも行ったし、もう思い当たる所は全部探してきた…」


「そんなぁ。携帯ないと困るよね?絶対今日見つけよ!」


列を飛び出し、ナツキくんをグイグイ引っ張った筈が、逆に強い力で引き戻される


「だぁから、いーんだよ。お前せっかく並んでくれてたんだろ?あと数組じゃん。このまま乗ろ」


「だってぇ…」


「自業自得だから」
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