イジワル王子とお姫様
うそっ!!聞いてないよぉ~!?


仰天してナツキくんを見ると、不思議そうに私を見つめる


「なに?」


「えっ…だって」


チラッと向かいに座ったカップルを見る


私たちより少し年上の、お兄さんとお姉さんだった


お姉さんと目が合って、ニコッと微笑みかけられる


恥ずかしいけど…照れながらも、笑って会釈した


「だから何?」


ナツキくんが、またいつものように鬱陶しそうに私を見る


私は向かいの人に聞こえないように、ナツキくんの耳に手をあて、コソッと囁いた
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