イジワル王子とお姫様

膝をつき、大切そうに手を握りしめ、ついた土をはらってくれる。


いつもと違うその態度に何が何だか分からない私。


「ゴメン！……痛かった？」


まさかそんな事になると思ってなかったのか、とっても心配してくれているように見える。


子供だけに、大丈夫なんて建て前は持ち合わせていない。


「うん……痛いよぉ、ううっ……」


桃だとか言われ腕を噛まれ、他のヤツにイジメられるなって怒られたあげく突き飛ばされ……しまいに怪我して手から血が出る始末。


自分の置かれた状況が悲しくなって、涙がホロッと零れた。