イジワル王子とお姫様
そして…しばらくすると、腕組みして、上から下まで舐めるように彼は私を見る


「いや…通ってたけど。だから、それが何?」


やっぱり。だから何?って言われると思った


でも私だって、その次に続ける言葉ぐらい考えてるんだから


「私も同じ幼稚園だったの!更科桃香って、覚えてない?あのね、私ずっと…」


そこまで言うと、ナツキくんは目を瞑ってしまう


…あれ?どうしたんだろ


「んんっ…」


「あの~、ナツキくん?聞いてる?あのね」


「悪いっ!!…まるっきし覚えてねぇ」


…うそ


うそだぁ!?
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