イジワル王子とお姫様
「オレさ、小学校ん時の記憶もあやふやでぇ~。本当に生きてたかってくらいなんだって


ましてや幼稚園の頃の事は、ちょっと…なぁ?悪いけど」


ナツキくんは苦笑いして、近くにあったグラスを手に取り飲み干した


「そんなぁ…。全然覚えてないの?仲良くしてた子ぐらい記憶にない?」


「仲良くねぇ…。オレと仲良かったんだ?」


ナツキくん、へぇって顔してチラと私を見る


「えっと…仲いいかって言われると、そうじゃないような」


かぶりつき事件以来は、ちゃんと話しかけてくれるようになったけど、それまではイジメっ子だったし…どう説明すればいいの?


「ま、そんな昔話はどーでも良くね?」


昔話…


やっぱり覚えてるのは私だけだったんだ
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