イジワル王子とお姫様
「速くないよ…」


「速いじゃん。オレ、マジで抜かれると思わんかった。…くっそ~、取って置きの命令考えてたのにな」


そう言って、楽しそうにケラケラ笑う


そう…


必死に走ったら…私、ナツキくんに勝っちゃったんだ


昔から走るのだけは得意で…。ニブいから運動神経悪く見られがちなんだけど、天は私に一物を与えてくれたみたい


しかもナツキくん、私に命令って…。もし私が負けてたら、何させられたのかと思うと怖い


不意に、ナツキくんの手が私の手首を掴む


「きゃ、何!?」


「いちいち反応すんなよ」


反応するよっ
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