冬の華
成程…、
此れは確かに
学生には手が届かないだろうな。

探りを入れろってのは、
どうやら女のバイト先…
だったらしい。

それで俺を使ったってことだ。

店に入るなり、
極端に口数の減った彼女は、

「どうかした?」

無言でメニューを睨んでいる。

「デート中に…そんなしかめっ面為れてると傷付くんだけど?」

苦笑して言った。

「デート?」

繰り返し聞く彼女に、

「じゃないの?」

聞き返した。

「えっと…、緊張しちゃって」

はにかむ彼女は、

「何頼めば良いのか分からなくて…どうしよう?」

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