冬の華
その瞬間、
彼女の思念が語り掛ける。

彼女の本心を…。

流石に此れはマズイかな?
聞かなかったことにすべきだろうけど…溢れ出す好意に自然に顔が弛む。

今までこんな経験はなかった。

自ら遠避けてたのも確かなのだが単に怖かったのかもしれない。

一度でも手にしてしまった愛情を手放すことなんて出来ないから…貪欲に求め続けすがり付くだろうから。

今彼女の気持ちに触れた俺の心も暖かくなっていく。

今までは俺に関わる人が幸せなら良かったんだ。

それが、この瞬間から視界に入る全ての人々が幸せに為れば良いと思えた。

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