冬の華
‘ワンダ目線’

死にかけのヤツの額に手をかざし、
一点に気を集中させる。

熱を持ち、光出した額から
徐々に浮き上がった。

完全に引き出したそれは、
傷付いてボロボロだ。

「黄泉の使い魔が命ずる、
尽きようとする魂を
再び燃えあがらせ、
この者に健全なる肉体を与えよ。
我が名はワンダ」

引き出した魂は強い光に包まれ、
癒されていく。

魂が癒されるのと同じく、
肉体も癒えた。

癒しの力を使い、
思った以上に霊力を消耗した。

肩で息をし。

肉体に魂を戻すと、
隣に倒れ込んだ。

コイツ…相当ヤバかったんだな。

こんな状態でまともに俺と話してたというのか…。

大した精神力だな。
こいつは予想外に
良い拾いもんだ。

気絶したままのヤツを見て

ニヤリと笑った。

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