冬の華
この確かに暖かく流れる時間が、全てを包み込み時が止まれば良いとさえ感じていた。

この空間を邪魔するヤツを俺は、赦さない。

それは突如として現れた。

大きな口から垂れ流したまま…、

顔半分が目玉かと思われ
また、
その顔が躰なのだろうか?

奇妙な物体が正面窓越しに俺を…挑発している。

俺が凝視する先を彼女が目で追いながら尋ねる。

「何か…見えるの?」

恐怖心からなのか絡めた指先には力が加わっていく。

「君には見えない?」

確かに上がった彼女の霊力なら、見えても良いものなんだが?

微かに首を横に振った。

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