冬の華
彼女の元に戻った俺は
無言でエスプレッソを飲み干す。

出て行く前と寸分変わらぬ笑顔で迎えてくれた彼女に

俺は何も言えずにいた。

「さっきの子にね話し掛けたの。やっぱり女の子同士だから恋話で盛り上がっちゃった」

俺の変化を敏感に感じとったのか今は何も聞かず話題を避ける様に明るく振る舞う彼女が弄らしくて感謝していた。

「あの子好きな人居るらしいよ?ってそれは知ってるよね。
問題はそれが誰かなんだけど…。名前までは恥ずかしがって教えてくれなかったの。
役に立てなくてごめんなさい」

しおらしく頭を下げる。

< 118 / 298 >

この作品をシェア

pagetop