冬の華
立ち上がると
優雅に俺の前に飛び降りる。

《気は変えられん。
本来の気質がそのまま現れる。
お前の気は間違いなく暖かい。
心配するな…。
残忍な面は誰しもが少なからず…持ってるものだ。
どんな偉人で在ろうとも…》

隠してるだけなのかもしれない。

俺の中にはまだ恐ろしい魔物が、住み着いてるんだとしても…。

《その魔物にお前自身が打ち勝つだけのことだ。
お前にはそれが出来るのだから》

ワンダの言葉がすんなりと染み込んでいく。

《お前はもう一人ではないだろ。心配した女が先程から見てる》

尻尾を器用に動かし
彼女を指し示した。

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