冬の華
「…………よって血の契約によりそれを証明する。
我が名はワンダ」

重ねられた掌が燃えるように熱い

その熱が覚めた痕には、
何かのマークが浮き出ていた。

「話せるなら、声出せよ。
大体このマーク何だよ」

《契約成立だ。
これから頼んだぞ》

言うが早いか、
美青年はグレーの美猫に変わる。

俺を見上げ、綺麗に前足を揃えて澄まして座った。

《猫が話したら、怖いだろ?
それは我が使い魔の紋だよ。
契約期間中は消えない》

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