冬の華
まだ余韻が残ったままの彼女は、肩で息を繰り返している。

その唇に頬に耳に首筋に…
キスを落として行く。

徐々に下がるそれは既に露の上体へと下りた。

唇で尖端を捉えそれを口に含む。

舌先で転がし出すと、
小さな声が漏れ出した。

「ぅっん…」

恐怖は抜けて
恥辱と官能と戸惑いが渦を巻く。

片手を腿に這わせデニムのボタンに手を掛ける。

緩んだ隙間から差し入れた…
触れて欲しいのに、
欲しくない相反する感情の波に、

「声…もっと聞かせてよ。
もっと俺で乱れてよ」

指先で直に愛撫した。

大きく背中を仰け反らせ
荒くする呼吸。

彼女からは官能以外の感情が消え同時に俺への気持ちが溢れ出す。

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