冬の華
霊力が上がれば覗かれないって
ことなのか?

「正確には…頭に結界を張るってことだがな…。
簡単だろ?
この部屋には中に封じ込める結界マンション全体には外からの侵入を防ぐ結界…お前の出た瞬間にはその空間にも張ったな」

彼女の眠る寝室には内と外に二重で張ってある。

だがこのヌルならこの結界も
意図も容易くすり抜けるだろう。

「余程大切なモノでも隠したか?心配するなあの女に興味はない。近々お前の母親が訪ねてくるが」

「あの人は此処へは来ない!」

ヌルの言葉を遮る。

「否、必ず来る」

自信に満ちた顔でにやりと笑い、

「その時に又俺も来る」

そう言い残して消えた。

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