冬の華
ヌルの奴が突如現れた日から
数週間が経つ。

ハデスが俺の父親と
接点がなかったと解った以上

ヴェリアスには関心もなくなり

「…昇還せよ」

淡々と任務を遂行する日々が
続いていく。

相変わらず一回戦ごとに
昇還を繰り返し帰宅する俺に

最初こそ
怒りをぶつけていたワンダも

片目で俺の無事を確認するだけで関与さえしなくなった。

禁欲の言葉さえ忘れ
毎晩彼女を部屋へ連れ込む。

精神安定剤と共に
使い切った気の活力源となる。

彼女と交わるだけで
泉の如く気力が沸き上がった。

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