冬の華
幸福な夜更けを
迎えたにも関わらず…
今朝の目覚めは最悪だ。

「…普通に現れることも出来ないのかよ?」

俺の結界を意図も容易くすり抜けヌルがワンダの寝場所を奪う。

「よぉ!服ぐらい着たらどうだ?暫く振りに会えばちっとはマシな面になったじゃないか」

真っ裸で寝てた為に
辛うじてボクサータイプの黒パンだけを身に着けた俺にしたり顔で笑う。

片手で寝癖の付いた髪を掻き混ぜ

「もう此処へは…来ないんじゃ
なかったのか?」

欠伸をした。

ワンダは以前ヌルより会話に参加する許可を剥奪された為か無言で俺を睨むだけだ。

「お前の母が訪ねる日に又来ると伝えておいた筈だがな?」

だからそれは来ないって事だろ?

「相変わらず筒抜けか?
進歩の無い奴め…」

両手足を悠々広げ
ソファを占拠する。

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