冬の華
清楚?
この人が?

否、今はそんなことよりも…。
二人は顔見知りだったのか?

「早苗!」

乱入してきた男の声に
振り返る。

オートロックも結界も…
意味を成さないのは

ソファに踏ん反り返り
逸楽に会心の笑みで見守る

「さて勢揃いか…。
話を始めるとするか!」

ヌルの玉音。

「違うの無関係よ!
この子は私の子じゃないわ!」

この期に及んでの嘆声。

この背後に立つ男が
継父だからなのか…。

他人の振りをすべきなのか?

俺の迷いを知ってか

「早苗良いんだ知ってるんだよ。君の息…」

「あなたは黙ってて!」

男の発言を喚声で阻止する。

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