冬の華
「何が可笑しい!」

憤慨する俺を悠然と見据え。

「早苗…息子を奪還する」

母に言い渡す。

「奪還?…どういう意味だ?」

奪い返すも何も最初から
俺を捨てたんだろ?

「ダメよナル!
この子は渡さないわよ…。
約束したわよね?」

渡さない?
あんたも俺を見放してんだろ?

「嗚呼…。
だから今日まで待ってやったんだ約束通りコイツは俺が貰う!」

俺の意志も聞かず進む話に

睨み合う二人を唯…
苦悩の表情を浮かべ
見ていることしか出来なかった。

「落ち着いて話し合いませんか?貴方も早苗も彼の心労を察して」

継父の温情に感謝した。

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