冬の華
「ふん」っと鼻で笑いはしたが
それを外そうとはしなかった。
「愚行により深傷を負った俺を…助けに来る奴は当然居ない…。
すっかり諦めた時に出逢ったのが早苗だ」
ヌルの熱い視線が母を捉えたまま動けなかった。
「我等の存在を知る由も無い女が恐る恐るに俺の傷を塞いでた。
死を目前とすることに怯えて、
人では無い得体の知れぬ俺に怯えそれでも早苗は俺を見棄てたりはしなかった」
初めて聞く父と母の馴れ初め…
というやつだった。
「修復には気を使うしかないが…俺に残された気は極僅かだった。早苗に看取られ消え失せるのも…悪くないとさえ感じ始めたのだが同時に早苗を手に入れたい衝動に侵されていった」
それを外そうとはしなかった。
「愚行により深傷を負った俺を…助けに来る奴は当然居ない…。
すっかり諦めた時に出逢ったのが早苗だ」
ヌルの熱い視線が母を捉えたまま動けなかった。
「我等の存在を知る由も無い女が恐る恐るに俺の傷を塞いでた。
死を目前とすることに怯えて、
人では無い得体の知れぬ俺に怯えそれでも早苗は俺を見棄てたりはしなかった」
初めて聞く父と母の馴れ初め…
というやつだった。
「修復には気を使うしかないが…俺に残された気は極僅かだった。早苗に看取られ消え失せるのも…悪くないとさえ感じ始めたのだが同時に早苗を手に入れたい衝動に侵されていった」