冬の華
真実の愛は目に見えるものなんかではけしてない。

俺が愛されていた証拠は
他でもなく真愛…君だ。

俺が真愛を愛せたことなんだ。

形は違えど俺の中には
確実な愛が存在する。

「ヌル…悪いけど…
俺はハデスには行けない。
ハデスの…ヌルの息子は…
愛する人を置いて此処を離れることは出来ない!
ハデスが世界を守る様に俺は、
ヌルの分も母さんを守って行く」

その言葉に
母は声を上げて泣き叫び。

「元よりお前の様な未熟者は…、ハデスに留まるには鍛錬が足りん俺が認める器になるまでは此処で耐えるのだな」

言葉とは裏腹にその眼は揺れ。

「ワンダ貴様は使命に失態し俺を失望させた遺漏の責任を取り…、零稀の従者とする譴責処分を下す服務せよ」

ワンダを俺の元に残すと
宣言した。

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