冬の華
言葉無く…
奥歯を噛み締める。

《御戯れも大概でお止めください…零稀様には今後も必要な女性。迷いは思わぬ事故へ繋がります》

口内に鉄の味が滲み出した頃。

ワンダの声が響いた。

｢ふん…つまらん｣
ヌルが鼻を鳴らし呟き。

《安心しなさい…。
零稀様の気は真愛の中に根付き、それは零稀様と共に息吹くのです…早苗様がご無事なのは零稀様の気が中核に残されているからに、他ならないのですよ。
早苗様も…真愛も本来持っている気は渇れて無くなるのは事実です止められませんが…零稀様の気は残されていきます。
強力な霊力は、それだけで結界となるのです》

< 184 / 298 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop