冬の華
最初は様子見と行った感じで
大人しく後に付いていたヌルも

そのうち
飽きたのか先を飛び出す。

それもからかう様に
追いつ追われつを繰り返し。

「零稀…先に行っていいか?」

最後はそれさえも飽きたのか
その言葉を残して消えた。

俺の返事も待たずに…。

「くそっ…」

流石ハデスと言うべきなのか、

一瞬にして
千里を移動する。

最近飛べる様になったばかりの
俺に真似できる芸当ではない。

ヌルの姿を探す迄もなく
残された気の後が
道標として俺を導いていた。

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