冬の華
身を乗り出す大和に対し
俺はソファーに埋もれたまま
静かに目を閉じている。

「だってお前考えりゃ解るだろ?誰がヤラられる為に態々来んだよ可笑しいじゃねぇか!」

大和の最もな意見に
俺はまた口元を弛ませる。

「そりゃ常識外れな化け物相手だ常識が通用するとは思ってねぇ。けどどう考えても納得いかねぇ」

「大和の言ってる事は正論だよ。但し依頼人は当人というよりも身近な周囲の人間になる。
当人が自覚して来てくれるのが、理想的だけど確かに難しいな。
どんな形にしろ俺を必要としてる人間は必ず此処へ来る事になる」

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