冬の華
大和は俺から僅かに視線を外す。

「零稀はそのままで居ろよ…」

親指を立て階上を指し示し。

「そういうのあの娘は解ってくれてるんだろ?
そのままの零稀で居りゃ良いさ」

俺も頷き見上げる。

「真愛にも言った事あるんだ。
好きだって感情は解らないって」

「んで?あの娘何だって?
お前等付き合ってんだろ?
同棲してんじゃねぇか!」

「同棲っていうか…同居?
真愛は俺が解るまで待つってさ」

大和が立ち上がり拳を震わせる。

「何が同居だ!
見下げたな零稀!お前がそんなに卑怯だとは思わなかったぜ!」


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