冬の華
大和の喜怒の激しさに
安堵さえ覚える。

「俺、真愛が愛しいんだと思う。何を犠牲にしてもこの手で俺の手で守ってやりたいと思うんだ。
それを愛しいって言うんだろ?」

脱力感に大和が手足を投げ出す。

「好きって気持ちは正直まだよく解ってないけどな…。
離れてる間も真愛を思ってんだ。支えられてんのは俺の方だった。俺が真愛を必要としてるんだ」

「それで充分なんじゃねぇ?
ってかそれ以上何があんだよ?」

俺は階上の真愛を見詰める。

「俺が誰か1人に固執するなんて、正直考えられなかった…」

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