冬の華
階段を上がっていく俺を
真愛が迎える。

「お帰り!もう終わったの?」

不安と期待の入り交じった顔で

「あの人…ずっと居るの?」

ソファーに寄りかかった俺の隣に並んで座った。

「大和?真愛は嫌なの?」

真愛の肩を抱いて引き寄せる。

「だって…半年振りなのに…」

身を預ける真愛に

「俺は構わないけどな…」

囁やき微かに頬に口付ける。

「だっ…だけど…私…声…」

慌て目を見開く真愛を。

「もう、真愛に無理させる必要はなくなったんだ」

俺は見詰める。

「それは…えっと…つまり…」

「つまり、何?」

言葉を詰まらせる真愛に

「だから…その…私と…」

「真愛と?」

それを促す。

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