冬の華
口以上に素直な表情を見てれば、真愛の心に触れなくとも解る。

「何でもない!」

恥じらいが勝ったのか
首元まで染まった顔を
俺の胸に押し付けた。

「そういや真愛!俺との約束は?危険な事するなって言っただろ!何でヴェリアスに向かってたんだ」

「えっ?何で知ってるの?
あの人から聞いたの?」

「あの人じゃないだろ?
大和は何も話したりしてない…」

何故か大和を敵対視する真愛は

「嘘!なら何で知ってるのよ?
絶対あの人が話したんだ。
どうしてあの人を庇うの?」

どうあっても大和を認めたくないらしかった。

「大和は関係ないだろ?
今は真愛が約束を破った事実確認をしてるんだよ!」

「だって…零稀の役に立ちたかったんだもん」

やっと素直に認め俯き拗ねる。

「お仕置きが必要みたいだな?」

真愛を抱き抱えて寝室へ向かう。

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