冬の華
ダイニングテーブルに着き、

「手紙が届いてたぜ」

黒封筒に赤字で記したそれを
ダルそうに指先で差し出す。

「おはよう…飯食う?」

珈琲を注いだカップを
大和の前に置き手紙と交換する。

「食う…あの娘は?」

「真愛ならまだ…。
昨夜はかなりムリさせたからな、暫くは起きて来ないだろ?」

こっちもかと軽く息を吐き。

トースターから取り出したパンとオムレツを手渡す。

「ご馳走さま…」

「いただきますだろ?」

無言でジャムを塗りたくる大和に

「相変わらずの甘党だな…」

呆れて突っ込む。

「読まねぇのかよ?」

顎で手紙を指し示した。

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