冬の華
飲み掛けの珈琲にムセる大和を

「何だよ、苦かったか?」

眉を寄せて見て。

「バッ…違っ…」

砂糖とミルクを差し出した。

「違うって言ってんだろ!」

立ち上がり身を乗り出して

「遣い魔とか魔界って何だよ!」

一息にまくし立てる。

漸く気付いた俺は、
珈琲を一口呑み込み。

「…それの…送り主」

目線だけで指し示した。

「ってかさ、
基本依頼人は人間以外ってことになんだよな…恐らく…」

「冗談じゃねぇぞ!んな話聞いてねぇからな!」

興奮する大和と対称的に

「まあ、相手が魑魅魍魎である事に代わりはないから…。
金払いは確かな筈だ?」

冷淡と応える。

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