冬の華
結界を張り閉じ込めさえすれば
惨事にならないのだろうが…、

各界と必要以上に事を荒げるのは得策では無い事も周知の事実だ。

取り憑かれた様にボソボソと

「…可愛いかったのに…悪魔…」

繰り返す大和に苦笑を浮かべる。

「大和〜?戻って来いよ〜?」

悪魔に魂を盗まれた…。

通常の人間なら
心配したかもしれないが…、

「大和のタイプじゃないだろ?」

「まあ…確かに…」

大和の煮え切らない態度に
俺の顔は渋く歪んでいく。

「止めとけよ…」

此ればかりは
止めない訳にいかなかった。

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