冬の華
黙視を続けるヤツに
俺も逃げずに見返していた。

「今は何も言いません。
ご自分の価値をご理解していればどう行動されることが正しいかは直ぐに解るはずですから」

視線は逸らすことなく
それを鼻で笑う。

「理解しているからこその行動だ俺がやらないで誰がやるんだよ?悪いけど俺の価値は俺が決める!誰からも文句は受け付けない」

「貴方は何も理解しておられない貴方の命は全世界の存続に関わる貴いものだ…」

「命の価値は等しいんだよ。
大統領だろうと一般人だろうと」

自分の胸に手を当て

「この命と…」

ヤツに真っ直ぐ差し出す。

「お前の命と…今還した魂と…。全て同じ重さなんだよ!」

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