冬の華
俺だって必死に鍛えてきたんだ。
ここでやらなきゃいつやんだよ。

腹を決めた。

「止めろ
アンタの好きにはさせない」

《ほーう、面白い》

睨み合いが始まり、
双方が相手の出方を見る。

どっちにしたって俺には何もない
気を武器に変えることだって未だに出来ないんだし…。
結界だって張れない。
今の俺には此しかない。

強く拳を握り締める。

迷ったら殺られる。
考えるな。

俺は気合いを入れ、
飛込んだ。

顔面目がけて拳を突き出す。

なっ
当たらない。

後頭部に回し蹴りを繰り出す。

当たらない…。

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