冬の華
大和の勘の鋭さに改めて驚く。

「こいつは大丈夫なんだよな?」

「解りません…。
ですが主人も3ヶ月程前に突然…同じ様に倒れて以来なんです」

「3ヶ月前からですか…。
少し危険かもしれませんね。
早急に手を打った方が良い」

二人の会話に割り込んだ。

「零稀…お前…」

「大丈夫なんですか?」

それには応えず
母親を真っ直ぐ見据える。

「ご主人の体に憑いているのは、一言で言えば悪魔です」

「悪…魔…」

上擦った声を

「そんなはずない!」

怒声が掻き消した。

「テレビで有名な霊媒士に何度も見てもらってもパパ何も変わらないじゃない!」

< 274 / 298 >

この作品をシェア

pagetop