冬の華
娘の叫びは涙によって掠れる。

「誰に見せても…変わらない。
足元見て大金だけ巻き上げてく」

崩れ落ちた彼女の背を母親が抱き

「藁にもすがりたいのは事実です…我が家にもう余裕はないんです申し訳ありませんお引き取りを」

拒絶する。

「見てください」

俺は二人の前に屈み込み
自らの手の内を指し示した。

「俺の中に特異な血が混じってる証拠です!」

腕に指先を押し当て
ゆっくりと滑らせる。

「悪魔に人が対抗するのは無謀だ捩じ伏せられなかっただけまし…下手に怒りに触れ暴走を始めてはご主人の命取りになっています」

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