冬の華
疑いは残っていたが
渋々了承を得て直ぐ
準備に取り掛かる。

「さっきから何してんだよ?」

家の周りをぐるりと回り
四つ角に一滴ずつ血を垂らす。

「味方と交渉をしてるんだ。
本来の力を呼び覚ましてやれば、今後同じ事は起こらないだろ」

落ち着かないのか大和が俺の後を付いて歩く。

「味方って?」

「そうだな…地神?氏神?先祖?何って言うのが近いんだ?」

首を捻る俺に

「おい!しっかりしろよ!
お前がやるしかねぇんだぞ!」

呆れ顔の大和に大きく頷く。

「大丈夫だ!
充分な報酬を与えたからな」


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