冬の華
室内に入った俺は
用意された紙を半分に切る。

「本当にこんなメモ用紙なんかで大丈夫なんでしょうか?」

「大丈夫ですよ。これは貴女方の御守りになります」

一枚一枚丁寧に折り畳み
一人ずつ手渡した。

「必ず肌身離さず持ち歩いていて破けさえしなければ入浴中でも、手離さないでください」

二人が頷くのを見届け。

「ご主人は地下室ですか?」

本題へと切り込んでいく。

「どうして地下室だと?」

見開かれた目がそれを肯定する。

「地下室から気配が感じます。
恐らくご主人とこのしばらく顔を合わせていないのでは?」

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