冬の華
二人をリビングに残し
教えられた階段を目指す。

「なあ…さっきの紙なんだよ?」

大和も当然の様に付いて来た。

「ああ…あれか?
あれは俺の気を封じ込めた紙で
魑魅魍魎が寄り付けなくなる」

「ふ〜ん…俺のは?」

「えっ!大和も欲しかった?
まさか大和びびってんの?」

大袈裟に振り返り。

「俺も持ってないけど」

両手を振って見せる。

「バッ…馬鹿言うなよ!
びびってるはずねぇだろ!
もし作ってんなら無駄になるかと思って聞いただけだよ」

大和の強がりに大して反応もせず

「あっそ…なら行こうか!」

地下室に繋がる通路を指差した。

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